手織り絨毯の品質基準

色、柄、染め、織りなど商品そのものの品質に関わる基準に加え、製作工房や製作年代、あるいは故事来歴・由来といった付加価値性や希少性などが価格に加味される…ペルシア絨毯をはじめとするシルクロード(オリエント)の手織り絨毯は、絵画や宝石、あるいは古美術品などと同様に、一般の消費者にとって、質と価格の対応がとても困難な商品のひとつです。しかし、どんな商品にも、市場の受給バランスに対応した相場価格というものがあるように…手織り絨毯にも、やはり市場の相場価格というものがあります。アンティーク絨毯なら、海外オークションでの落札価格がひとつの基準となり、現代ものの絨毯に関しては、産地ごとに形成されている品質基準…すなわち、商品のクオリティー評価が、その基準となります。では、どのような評価方法に基づいて、商品取引されているのでしょうか…ペルシア絨毯の故郷イランをはじめ、インド、パキスタン、トルコ、中国など…手織り絨毯の主要産地国で用いられている、それぞれ特有な品質表示の用語解説や商品のクオリティー評価方法について、コラム形式で、順次にお話していきたいと思っています。

 

次回、手織り絨毯の需要国・ヨーロッパやアメリカで、一般的に用いられている品質表示についての解説を行います。

 

※シルクロードの手織り絨毯とオリエントの手織り絨毯/その定義について

シルクロードの手織り絨毯とは、東と西の人と文化が行き交った、東西交渉の道…かつてのシルクロード沿いの諸地方=西は北アフリカから、東は中国まで、広大なアフロユーラシアの大地で、織り継がれて来た手織り絨毯の総称。また、オリエントとは、ヨーロッパから見て、日の上がる地…すなわち、東の地=広義に解釈するとイスラーム世界を含めた広範なアジア世界を指す。したがって、オリエント絨毯とは、この地で織られた絨毯=シルクロードの手織り絨毯と、エリアが重なりあうため、同義語として解釈して使用。

 

 

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